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2015年7月29日

第25回人工現実感研究会 参加報告

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|◆ 第25回人工現実感研究会 参加報告
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第25回人工現実感研究会が,7月2日から7月3日にかけて,第25回ヒューマンイン
タフェース学会研究会SIG-VR(バーチャル・リアリティー・インタラクション専門
研究委員会)研究会が2015年7月2日から3日にかけて,東京大学の山上会館で開催
された.当該研究会は,人工現実感および一般をテーマとし,各分野の研究を発表
し交流を深める場であり,日本バーチャルリアリティ学会,映像情報メディア学
会,ヒューマンインフォメーション研究会,電子情報通信学会 マルチメディア・
仮想環境基礎研究会(MVE)の連催で行われた.
 本研究会ではシングルセッションの発表が1日目は11件,2日目は3件行われた.
HMDの使用を想定したものや,ビデオ電話における交流の活性化を図るものなど,
いずれもバーチャルリアリティをより身近なものとするような興味深い研究が多か
ったが,その中でも印象に残ったものを2件取り上げたいと思う.
 東京大学の鈴木啓太らによる“性別印象操作による男性間の遠隔コミュニケー
ションにおけるソーシャルタッチの効果向上手法に関する研究”は,コミュニケー
ションの中で行われるタッチ(ソーシャルタッチ)に注目し,遠隔地同士での通信
によるコミュニケーションにおいてもその効果を追求するものである.元来テレプ
レゼンスは遠隔地の情報を正確に,臨場感をもって伝えることに重きを置いて研究
がなされてきた.しかし,ソーシャルタッチにおいては同性間では効果が低く,異
性間での効果は高くなることから,テレプレゼンスでの擬似的なソーシャルタッチ
において,性別の印象を操作することで作業を行う効率が上がるかどうかを検証し
た.
 また,東京大学大学院の野元らのVisuo-hapticsを用いた作業精度向上支援手法
の基礎的検討は,擬似的な触覚感覚の再現を機械的なアプローチではなく視触覚間
相互作用(Visuo-haptics)を用いることで行おうとするものである.手描きによ
る精密な描画作業を習得するなどの目的で,擬似触覚感覚を機械によって物理的に
再現する支援装置はこれまでもあったが,装置を用意することにコストがかかる,
自由度が制限される等の問題点があった.この研究ではHMDを利用して手描き入力
の際,思い描いていたペンの軌跡と異なる描画を行うことで擬似的に触覚を想起さ
せるシステムを考案し,実際に作業精度が上がるかどうかについて検討を行ってい
る.
 筆者は加速度センサ内臓積み木による遊びの動作識別に関する一検討について発
表を行った.緊張もあってか詳細な部分を上手く伝えられないなどの場面があった
ため力不足も感じたが,貴重な意見を多くいただき非常に有意義な研究会参加であ
った.いただいた意見も検討しこれからの研究に生かしていきたい.
 本研究会の次回の開催は未定であるが,これからHP上などで告知が行われる予定
である.
Category: 学会参加報告

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