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2015年11月26日

Oculus VR社開発者会議「Oculus Connect 2」 参加報告

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|◆ Oculus VR社開発者会議「Oculus Connect 2」 参加報告
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古瀬弘康(株式会社ブイテック研究所)

1.Oculus Connect 2とは
 2015年9月23日から25日のスケジュールで,米国ロサンゼルスでOculus VR社の開発者会議である「Oculus Connect 2(以下OC2)」が開催された.OC2の様子を報告する. (詳細な報告書は,弊社ホームページに掲載されるレポートを参照して頂きたい.)
 参加人数は,主催者発表で約1500名.2016年の第一四半期に製品版の発売が予定されている「Oculus Rift製品版」にかける期待の大きさが実感できる規模であった.
 OC2の内容は,主に下記の4つから構成されていた.
・キーノートスピーチ :Oculus VR社の新製品紹介と今後の計画
・セミナー :技術情報や新製品情報に関する講演
・デモンストレーションン:ハードウェア・ソフトウェア新製品や,新しいアプリケーション体験
・パーティ :開発者同士の交流パーティ
これらのイベントが,総計で40セッション以上,スケジュールを区切って3日間にわたって参加出来るようになっていた.

2.カンファレンスの様子
【キーノート】 
 OC2の2日目に行われたキーノートスピーチには,Oculus VR社の経営陣やキーパーソンが多数登壇し,これからの経営方針や新製品情報,技術情報を3時間にわたって発表した.キーノートのオープニングのサプライズゲストはFacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏の登場. Mark Zuckerberg氏は,「なぜFacebookがOculus VR社を約2000億円で買収したか?」について語った.
【新製品の発表1】 
 新製品発表の最初は開発環境.Oculus VRのMobile担当トップのMax Cohen氏から「mobile SDK ver.1.0を11月に出す」との発表.Rift用のSDK ver. 1.0は12月になる予定.
【新製品の発表2】
 次に,待望のOculus Riftの製品版を含むハードウェア製品の紹介.従来「Crescent Bay」と呼ばれていた試作機のような高精細感が高いディスプレイ,軽量化,洗練されたデザイン,ヘッドホン内臓など,従来に比べて極めて完成度が高いものとなっている.新しい入力デバイスである「Oculus Touch」も同時に発表.これには,「MEDIUM」という新コンセプトの「VR空間ペイントソフトウェア」がバンドルされる.
 
3.終わりに
 今回のOculus Connect 2は,Oculus Rift製品版の発売直前ということもあり,出席者の会議に臨む真剣さ,主催者側の本気度共に,期待を大きく上回るものとなっていた.
 Oculus VR社は,VRを単に「仮想空間への関わり方」としてとらえているのではなく,「VR新しいプラットフォームとしての社会インフラにする」という強い意志を持っている.2016年の同社が楽しみである.
 Oculus Connect 2
 https://www.oculus.com/en-us/connect/

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