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2014年9月26日

ヒューマンインタフェースシンポジウム2014 参加報告

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|◆ ヒューマンインタフェースシンポジウム2014
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小林保正(東京農工大学)

 ヒューマンインタフェースシンポジウム2014が2014年9月9日から12日の4日間に
わたり,京都の京都工芸繊維大学にて開催された.今年度で16回目を迎えた本シン
ポジウムは,国内のHuman Interfaceや,Human Computer Interactionに関わる研
究者らが集まる会議である.今回は,”しあわせインタフェース”というテーマのも
とに,一般発表136件,対話発表は66件と,盛大に行われた.
 一般発表は,2日目から4日目にかけて行われた.幅広い層に使ってもらえるよう
に考慮されたインタフェースに関する研究から,運転者,高齢者,オフィスワーカ,
障害者といった,特定の層に着目した研究まで,幅広い分野にわたった発表が行わ
れた.発表では,新しいインタフェースそのものについての提案だけではなく,イ
ンタフェースの評価方法についての提案も行われた.質疑応答では,研究者らによる,
提案された手法における改善点の指摘や手法を用いることによる利点の指摘をはじめ,
活発な議論がなされた.
 対話発表は2日目および3日目に行われ,一般発表と違い,ポスター展示が行われ
た.本セッションでは,街で鬼ごっこを生成する「オニプラ」(慶應義塾大学・牛
氏),恋愛感情を利用したエージェントである「七瀬ちづる」(京都大学・石井氏)
といった,筆者が体験したくなるようなシステムが,数多く展示されていた.さら
に,脳磁図を用いて脳活性度を計測する(NICT・横田氏)といった,人の状態を評
価する研究も見受けられた.対話発表では,研究者らによる意見交換が活発になさ
れており,場所によっては通路を通る際に苦労するところもあった.
 招待講演および特別講演として,国本利文氏(ヤマハ),李健杓氏(KAIST /
International Association of Societies of Design Research),Julia Cassim氏
(Kyoto Institute of Technology),Norman Alm氏(University of Dendee /
CIRCA connect)による講演が行われた.これらの講演では,楽器インタフェースの
歴史や,障害者や老人を対象とした
デザイン論についての発表が行われた.Cassim氏の講演では,IKEAがAppleのCM
をパロディ化したものを紹介して締めくくられていた.このような,知見を深める
だけではないユニークな講演を聞くことができ,非常に貴重な経験となった.
 次回のヒューマンインタフェースシンポジウム2015は,2015年9月1日から4日
の4日間にわたり,公立はこだて未来大学で開催される.詳細は,以下のURLを参照
していただきたい.
http://www.his.gr.jp

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