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2013年9月26日

第13回日本VR医学会学術大会 参加報告

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|◆ 第13回日本VR医学会学術大会 参加報告
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 横畑亮輔(大阪大学)

 第13回日本VR医学会学術大会が2013年8月31日,大阪電気通信大学駅前キャンパス
にて開催された.大会当日は16件の一般演題に加え,2件の特別講演が発表された.
本大会は,VR技術の発展と応用による,医学および医療の進歩への貢献を目的に開
催されており,工学系研究者だけでなく,多くの医学系研究者および現役の臨床医
が参加していた.
 一般演題は発表10分,質疑応答5分の口頭発表で行われた.各種手術シミュレータ
の設計やシミュレーションにおける計算時間の高速化,プロジェクターを用いた作業
教示など,発表内容は多岐にわたるものだった.特に,腹腔鏡下手術を対象とした研
究が多く,VR技術との相性の良さを感じた.また,患者に対する病態説明システム
(骨盤臓器脱)の紹介も行われていた.臨床医と患者との対話を正確にすることは,
工学系研究者から見ても大きな課題であると感じた.さらに,講演の一部では,手術
シミュレータ理解などのための,医学生に対するプログラミング教育に関する発表な
ど,医工連携を発展に繋がる報告も行われていた.大会中は,他分野であるからこそ
出る助言や要望が見受けられ,研究者・臨床医の双方での非常に活発な議論が行われ
ていた.
 特別講演では,黒田先生から,AR手術ナビゲーションとハプティクス技術の融合と
展開についての講演が行われた.最新のハプティクス技術の動向について紹介されて
おり,触覚ARの手術支援への取り組みについて発表されていた.中尾先生からは,
「人のイメージを具現化する」ことを目標に,三次元画像に基づく手術工程の可視化
と定量的把握について講演されていた.従来は臨床医が頭の中で想像していた手術計
画を可視化し,その物体を操作することを目標とされていた.その中で,従来考えら
れていない術式の提案にも繋がることを示唆しており,医療への応用が望まれる研究
だと感じた.

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