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2014年12月25日

第5回横幹連合総合シンポジウム「日本発:モノ・コト・文化の新結合」 参加報告

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|◆ 第5回横幹連合総合シンポジウム「日本発:モノ・コト・文化の新結合」 参加報告
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北村尊義(京都大学)
 2014年11月29日から30日にかけて,東京大学本郷キャンパス工学部2号館・3号館にて,VR学会を含む38学会を会員とする横幹連合による第5回横幹連合総合シンポジウム「日本発:モノ・コト・文化の新結合」が開催された.横幹連合は,限りなくタテに細分化されつつある科学技術の現実の姿に対し,「横」軸の重要性を訴え,強化することを目標としている.そのためか,筆者が参加した全てのセッションにおいて,発表者が所属している学会や組織が現在取り組んでいるコトの大まかな概要から紹介する発表者が多く,参加者からの質問には実際に取り組んでいる内容や実践方法についてのものが多く見受けられた.どのセッションも実に興味深いものであったが,横幹連合によるシンポジウムならではのやりとりをひとつ紹介する.
 29日のオーガナイズドセッション「地域活性化~多様な地域資源が生み出す新結合~」にて,釧路公立大学の西村友幸先生が『2つの”コミュニティ”~地域活性化のマトリックス思考~』と題して発表し,地域の活性化戦略の策定には,その地理的領域内に存在する地域コミュニティと,スポーツや芸術などの特定の主題にかかわるテーマコミュニティとを結びつける複合的な視点の重要性から,この2つタイプのコミュニティがマトリックス状に構築されていることを認識する必要性を説いた.この内容についてセッションの参加者のひとりが,マトリックス思考にとどまるだけでなく,より数理的なマトリックスモデルの構築にまで踏み込むことができるのではないかとして,翌30日に開催されるオーガナイズドセッション:「企業経営高度化~企業マトリクスの開発による経営高度化~」への参加を強くすすめていた.
 上記のようなやりとりは,学際的な交流のきっかけや,学問領域の深化につながると考えられる.そのため,横幹連合の活動が今後ますます拡がることに期待し,応援したいと思う.
 今回の開催時期が東京での紅葉の見頃であったということもあり,東京大学の赤門から安田講堂までの道のりは,銀杏の葉によって黄金色に彩られており,多くの家族連れや観光客で賑わっていた.来年度の第6回横幹連合コンファレンスは2015年11月下旬から12月上旬に名古屋での開催が予定されている.
http://www.trafst.jp/sympo2014/index_sympo2014.html

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