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2014年12月25日

SIGGRAPH Asia 2014 参加報告

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|◆ SIGGRAPH Asia 2014 参加報告
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長坂信吾(大阪大学)
 SIGGRAPH ASIA 2014は中国・深センのShenzhen Convention & Exhibition Centerにて12月3日から6日までの4日間に渡り開催された.SIGGRAPHは世界最大のコンピュータグラフィックスおよびインタラクティブ技術の国際会議および展示会であり,SIGGRAPH ASIAは,それのアジア版である.今回で7回目の開催であり,アジア圏のみならず,世界中から多くの参加者が集まる.中でも,最先端の研究がデモ展示されるEmerging Technologies(以下,E-Tech)には,実際に最新の技術を体験できるため,多くの参加者が訪れる.今年のE-Techは40件の投稿から14件が採択され,デモ展示が行われた.
 海外からは観客賞を受賞した香港城市大学による,赤外線センサによって計測される指揮棒を用いて音楽の大きさや速さを操作し,オーケストラの指揮者になれる“One-Man Orchestra”や,KAISTによる,タッチスクリーンをアクチュエータによって動かすことで,ユーザにタッチスクリーンに表示された物体に触れた感覚を提示できるデモが注目を集めていた.また,Keio-NUS CUTE Centerによる,重りの付属されたアームが箱の内部で動き,箱の重心変化によりひとりでに箱が転がる“Dancer-in-A-box”は,多くの人の興味を引いていた.
 一方,日本からは,委員の選出による賞を受賞した金沢大学による“Touch at a Distance”が参加者の興味を集めていた.これは,赤外光により物体までの距離を計測し,それに応じて指に力を与えることで物体に触れることなく物体に触れた感覚を体験者に与えることができる技術である.その他,関西大学による,赤外光と偏光板を用いて影絵とインタラクションを行うことができる“Slanting Shadow”や,慶應義塾大学による,ヘッドマウントディスプレイや触覚グローブを用いて遠隔地にいるような感覚を得られる “Enforced Telexistence”などが注目を集めていた.また,私もスタイラスを用いてタッチスクリーン内部の物体に触れられる“Haptylus”のデモを展示した.様々な職種や国籍の参加者から意見や質問を頂き,非常に有益な時間を過ごすことができた.
 次回のSIGGRAPH ASIA 2015は2015年11月2-5日に日本・神戸で開催が予定されている.
http://sa2014.siggraph.org/

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