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2015年1月27日

VRST 2014 参加報告

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|◆ VRST 2014 参加報告
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伴 祐樹(東京大学)
 2014年11月11日から13日の5日間に渡り,イギリスのエディンバラ大学にてVirtual Reality Software and Technology(VRST)2014が開催された.VRSはACM主催のVRに関する国際会議であり,今回で20周年を迎える.今年の発表は投稿数108件に対し論文数29件(うちフルペーパ17本,ショートペーパー12本)であった.その他,18件のポスター発表と2件のKeynoteがあり,Microsoft Research CambridgeのPushmeet Kohli氏は自身の研究を照会しつつ,ジオメトリ補完や視線位置推定,物理的制約を加味したCG物体の重畳等,より質の高い拡張現実感を実現するための方法論を述べた.また,Niloy J. Mitra氏(Univ. College London)は,身の回りの環境を,単純なボリュームデータとして取得するのではなく,形状や機能等まで含めて解釈するための手法について議論した.
 本会議の参加者は60人程度であり,アットホームな雰囲気ながら活発な議論がなされていた.昼食時等のセッション外でも研究システムのデモが積極的に行われ,その回りに人が集まって議論を交わしている様子がみられた.
 Bast paper awardにはCovaciらの,”Third Person View + Guidance For More Natural Motor Behaviour In Immersive Basketball Playing”が選出された.この研究は,バスケットボールのような運動をバーチャル環境において訓練する際の,主観や三人称といった視点の違いや,視覚的なガイドの有無によるユーザの行動変化を計測することで,実空間での訓練に近いバーチャル訓練環境の構築に重要な要因を割り出した.
 エディンバラはかつてスコットランドの首都だった歴史ある居心地の良い街であり,会場であったエディンバラ大学が位置する旧市街エリアは,UNESCO世界遺産にも登録されている.学会二日目に開かれたBanquetの前にはエディンバラ城の見学ツアーが組まれ,参加者はその荘厳な様に感嘆しつつ,交流を深めていた.
 次回開催の詳細な場所および日程はまだ決まっていないとのことだったが,より多くの発表と盛り上がりに期待したい.
http://conferences.inf.ed.ac.uk/vrst2014/

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