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2015年5月25日

ASIAGRAPH 2015 in Tainan 参加報告

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|◆ ASIAGRAPH 2015 in Tainan 参加報告
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伊藤 研一郎(慶應義塾大学)
 本年のASIAGRAPHは台湾の台南にある国立台南生活美学館(國立臺南生活美學
館)で行われた.研究発表は17件のペーパ発表と,8件のポスタ発表が行われ,デ
ザイン,知覚原理,拡張現実,可視化など,さまざまな分野における最新の知見に
ついて報告がなされた.長岡大学のParahbath Weerasinghe氏らの発表では,人型
アバタのモーションから感情を理解する知見が共有された.人型アバタは5種類の
外観が用意され,同じ人型でも外観を異星人にするだけで感情理解度へ影響を及ぼ
す結果は大変興味深かった.
 高雄大學(台湾)の陳佳妍(Chia-Yen Chen)氏らの発表は,博物館における拡張
現実の技術の応用方法が提案された.インタラクション可能な博物館ナビゲーショ
ンデバイスの開発を目的とし,美術品の3Dモデルをパンフレットなどに投影するこ
とも可能とし,共同開催のVR文化フォーラムの分野とも強い繋がりを感じるテーマ
であった.
 東京大学の前田嵩樹氏らの発表では,時系列データの可視化について最先端の可
視化手法が提案された. Weeping Treeと名付けられたこの表現手法を用いて,日
本の株価市場のデータの可視化が示された.また,慶應大学の小松英海氏の発表
は,不規則に動く虫型ロボットを用いて得られた実験現象学的知見に関する報告が
なされた.人工知能やセンサの無い虫型ロボットを狭い空間に複数投入すると,グ
ループが生まれグループ間で協調行動や敵対行動が見られる報告がなされた.
筆者は今回が初めての参加であったが,多様な研究や創作に触れることができ,関
連分野に対する興味を新たに抱くことができた.来年の詳細は未定のようだが,今
回のような濃密な会議へ参加が適うことを期待したい.
https://sites.google.com/site/2015asiagraph/

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