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2016年4月25日

NextMed / MMVR 22 参加報告

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|◆ NextMed / MMVR 22 参加報告

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中口 俊哉(千葉大学フロンティア医工学センター)
 今年で22回目となる国際会議Medicine Meets Virtual RealityNextMed /

MMVR 22)が,201647493日間にわたり開催された.本
会議は米国ロサンゼルス市内のSheraton Hotelball roomを会場とし,初日,2
目の午前中はシングルセッションによる基調講演,午後は23パラレルセッション
による一般講演が設定された.また,初日夕方から2時間にわたりポスター発表と
デモ展示が実施され,会場では軽食も振る舞われた.今回MMVR2222カ国からの
参加があり,18件の基調講演,55件の口頭発表,53件のポスター発表が行われた.
会場での挙手調査により参加者の3分の1程度が今回初参加であることが示され,
近年のVR注目度の高さがうかがえた.
 初日午前の基調講演セッションでは「VRの軌跡~1990年ブームから近年の復興,
そして未来」と題して,この分野の第一人者であるHenry Fuchs氏をはじめ,地元
ロサンゼルスでVRベンチャーを起業したCosmo Scharf氏など7名が登壇し,それぞ
れの意見を述べた後にパネルディスカッションが行われた.続くセッションでは医
療現場,手術室のVR再現に関する3件の基調講演が行われHMDによる医療現場再現の
動向が紹介された.注目の講演としてUCLA Medical Centerの脳外科学教室ではHMD
によるVRシステムが患者とのインフォームドコンセントやレジデント教育,また術
前計画に実用化されている様子が紹介された.2日目午前の基調講演セッションで
は「ヘルスケアVRシミュレーションの忠実性」と題して,シミュレーターの要素別
に生体組織再現の忠実性,生理的再現の忠実性,解剖学的忠実性についてそれぞれ
講演とパネルディスカッションが行われた.
 各日午後の口頭発表セッションではテーマ別により深い議論が行われた.取り上
げられたトピックとして撮影技術,コンピュータ支援治療技術,表示技術,ロボ
ティクス,外科シミュレーション,外科手技定量化,可視化,反力再現,モデル
化,リハビリとメンタルヘルス,などといったVRに関連する幅広い議論が行われ
た.ポスターセッションも同様に広いテーマが取り上げられたが,その中で16件が
ミニレクチャーとして選定され,ポスター会場脇のスペースでショートプレゼンテ
ーションも実施され盛り上がった.一方,製品展示デモでは各社のVR関連製品が体
験展示されていたが,Oculus RiftシリーズHMDを活用した製品が数多く見られ近年
のトレンドを実感できた.
 最後に,本会議の慣例である医療VR分野の貢献者を表彰するSatava Awardにはア
イルランドUC CorkAnthony Gerald Gallagher氏が受賞した.以上,年々盛り上
がりを見せるNextMed / MMVRであるが,次回の開催日程・場所については未定であ
る.
http://www.nextmed.com/
Category: 学会参加報告

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